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生活と自然科学(共通教育科目)

2024/11/19
Cイングリッシュ
保育・幼児教育
児童教育
心理臨床学科
[担当教員] 坂本昌弥 
[対象学年] 1年次生 必修

『小学校から高校まで12年間も学習してきた「数学」「理科」などの自然科学は,私たちにどのように関係しているのだろうか。』

この疑問に答えるために,久保幸貴先生と二人で「生活と自然科学」という授業を立ち上げました.この授業では,原子や分子,アミノ酸やタンパク質,そして生命の誕生と進化,遺伝子工学や原子力工学などの科学技術の進歩が作り出す近未来像など,多種多様な教材で学修を進め,それらが私たちの生活にどのように関係しているか,具体的に考えることができる授業を目指しています。

 今回の授業(第7回)は,近年,飛躍的に進歩する科学技術に対して,市民である私たちがどのように対応していけばよいかを「考える」ことに主眼を置きました.近年,基礎的なサイエンス研究の進歩により,理解が進んできたiPS細胞を応用した遺伝子工学や,広範に活用され始めている臓器移植技術など,医療技術の発展や広がりには目を見張るものがあります.加えて出生前診断や着床前診断,ネットで簡単に申し込めるDNA遺伝子検査などは,100年前には想像もできなかった技術です。しかしこれらは,これまで私たちの社会の中で形成されてきた「生命」に対する概念を揺さぶり,変化させようとしています.そこでいま,私たちは,社会を分断・階層化・差別化する可能性を持つこれらの技術を「いったいどの範囲で利用するのか」「誰もが平等に享受することができる社会を構築することができるのか」という課題を解決しなければなりません。しかし自然科学に関する知識や思考力を持たない市民は,この問題に対して無関心を装うしかなく,意図せず解決策を誰に任せてしまうことになるのではないでしょうか。

 今回の授業では,自然科学を基礎に「いのち」を考え,科学技術を市民の手に取り戻すために,市民がどのように自然科学と接触すればよいかを履修者とともに考えました。

学生の感想

科学技術が進歩し,私たちは数億年かけて進化してきた生命を短時間で改変する能力を手に入れつつある。特に,遺伝子編集の技術は,数億年をかけて進化してきた生命を短時間で改変する能力を持っている.この科学技術の進歩・発展は,医療や環境保護など多くの分野での革新を可能にする一方,倫理的・社会的な課題も引き起こしている。進歩した科学技術の取り扱い方を,私たち一般市民が自分事として考えることで,私たちはよりよい未来を築くための一歩を踏み出すことができるのではないかと考える。科学技術は私たちの生活を豊かにする可能性を秘めているが,その利用には慎重さと責任が求められるということを忘れてはならない。


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