社会
[対象学年] 2年教職必修
「社会」は、教職科目の必修。社会科に関係する資料等を検討・調査し、そこで学んだ内容を社会科授業づくりのために活かすことができるようにします。そのため、課題についてのグループワークでの協議や模擬授業の実施、また、全体への発表や模擬授業の実施などで、主体的な学修活動を行っていきます。前回までは、熊本県の「通潤橋」についての教科書記述分析と、そこから気づいた疑問についての調査結果を検討してきました。
今回は、自分たちの「身近な地域の開発事例」を調査した課題について班内で報告しあいました。「渡鹿堰と大井手」や江津湖の「江津塘」、菊陽町の「馬場楠井手」「八代干拓」「幸野溝と百太郎溝」「球磨川開削」など、しっかりと地域の調査を報告していました。その後、代表に益城町の「砥川用水」、天草市の「釜の迫の堀切」などを全体に発表してもらいまいした。
その後、実際に担当者が小学校教諭時代に実践してきた、山鹿市の「湯ノ口ため池と御宇田井手」の単元を通した実践を、学生の皆さんを児童に見立てて模擬授業を行いました。特に、学習問題作りからの児童の主体的な調査や見学での学び、そして、その後さらに学習を深めていく再追究の段階が設定できると学習が深まります。この実践などを参考に、自分たちで調べた「地域の開発事例」を授業にするための「単元計画」づくりを行っていくことになります。
学生の皆さんも、それぞれに自分たちの地域の開発事例を積極的に調査しています。その内容から、どのような授業づくりを計画してきてくれるか、とても楽しみです。
学生の感想
・今回の調べ学習を通して、自分が住んでいる地域の史跡や歴史的に重要な場所について知ることで歴史的背景についての興味や関心を持たせることができると感じた。自分の住んでいる地域の事だと教科書の内容よりも知識を深めることができる。私自身も調べ学習をしていく中で普段の教科書の学習ではあまり感じることのないわくわく感や新鮮さを感じることができた。そのため教材に対して深く向き合うことが必要だと感じた。児童に伝わりやすいような工夫する力を今後の学習で身につけていきたいと考えた。
学生の感想
・今回の講義では、調べてきた自分の地域の開発例を班内で発表しあった。私は渡鹿用水について調べたが、学校の通学路でいつも見る渡鹿堰が世界かんがい遺産に選ばれているほど歴史的価値の高いものだとは思いもしなかったので驚いた。班内でも、家の裏に流れていた川みたいなものが日本の名水100選に選ばれていたなどの意見が出て、普段は日常風景に溶け込んでいるものが実は非常に価値のあるものだったりすることがあるということを知った。子どもたちに教えるときも、こういった驚きや気づきは記憶に残りやすくやると思うので、子どもたちに教えるときも、大事にしていきたい。
学生の感想
・今回の講義から、自分の地域の開発事例から、菊池の開発事例である「築地井手」を選んだ。築地井手は、世界かんがい施設遺産にも登録されている「菊池かんがい用水群」の1つで、菊池川系最古の井手である。郷土の発展には、人々の努力が不可欠であり、現在の私たちの生活が、昔の人々の努力によって支えられていることに気づいてほしい。このようなことに気づける授業を展開するためには、事前の教師側での教材選択と教材研究が重要である。様々なことに、疑問をもつことや調べることを怠らず、しっかりと教材研究を行っていきたい。その授業に満足することなく、「更に良い授業をできないか」と工夫を重ねながら、高みをめざしていく気持ちを大切にしたい。