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社会

2026/07/15
児童教育
[担当教員] 西川 英臣 
[対象学年] 2年教職必修

今回の講義では、教材研究についてのレクチャーをしています。熊本県市で最も有名な社会科の教材である通潤橋。熊本で小学校を過ごした人は必ずと言っていいほど、見学旅行に行った経験があるはずです。この通潤橋を授業化するために必要な教材研究を講義の中で実習しました。まずは、通潤橋の授業を参観し、どの資料をどのように見せれば、こどもたちの意欲を喚起し、追究意欲を引き出すことができるかということについて考える場面を設定しました。写真はそのレクチャーをしている場面です。

また、授業場面の一つ一つをレクチャーすることによって、資料提示のタイミングや意見をどこに焦点化させるかという、社会科独自の技法を示していきました。学生たちはまだ授業づくりを始めたばかりで、模擬授業一つとっても大変苦労をしています。だからこそ、まずは「現場の授業の実際」を示すところから講義をスタートさせました。本学の学生は、本気で教師を目指している学生ばかりなので、真剣に授業の様子を参観していました。

講義では、この後グループごとに「通潤橋で調べること」を役割分担し、実際に調査活動に入っていきました。つまり、この講義自体が小学校4年生で行う社会科の授業を再現していることになります。経験したことのないことを行うことはなかなか難しいことです。ほとんどの若手教師は、自分がやったことのない授業を毎日実践しています。だからこそ、学生のうちに授業の実際を経験する意義があると考えます。

この後の講義では、学生の皆さんは、通潤橋の指導案を書き、その情報を共有しました。また、その後も通潤橋以外の自分たちの地域の開発事例を積極的に調査しています。その内容から、どのような教材研究を提案してくれるか、とても楽しみにしているところです。

教員のコメント

社会科の授業づくりは楽しいものであるべきです。教師が楽しいと感じている授業はこどもにとっても楽しく感じるはずです。社会科がこどもにとっても教師にとっても魅力的な教科になるように講義を進めていきたいと思っています。後期は社会科教育法で継続的に取り組んでいきます。


学生の感想

私は、通潤橋の発案者について教材研究を行った。特に興味深かったのは、通潤橋を造る際に参考にした霊台橋が、現在の八代市にあった種山村の石工職人たちによって造られたということである。私は現在八代市に住んでいるため、自分が住んでいる地域と通潤橋とのつながりを知ることができ、とても親しみを感じた。また、種山村の石工たちの優れた技術が熊本県内のさまざまな場所で生かされ、多くの人々の暮らしを支えてきたことを知り、先人の知恵や技術の素晴らしさを改めて実感した。今回の授業では、通潤橋という建造物だけではなく、その背景にある歴史や、人々の生活をよりよくしたいという思いについても学ぶことができた。将来教師になったときには、このような地域教材を活用し、子どもたちが「自分たちの地域にもこんなすごい歴史や文化がある」と実感できる授業を行いたいと思った。身近な地域と結び付けて学ぶことで、子どもたちの興味や関心を高めるだけでなく、郷土への愛着や誇りを育むことにもつながると感じた。今回の教材研究を通して、地域の歴史や文化を教材として扱うことの大切さを学ぶことができた。


学生の感想

通潤橋を題材として授業を行っている様子を視聴して、子どもの「でも」というつぶやきを大切にし、その疑問や気付きを授業の展開に生かしていたところが印象に残った。教師が子どもの発言を丁寧に受け止めることで、子どもたちは自分の考えを安心して表現でき、学習への意欲も高まることが分かった。また、教師が一方的に知識を伝えるのではなく、問い返しや友達との話し合いを通して考えを深めていく授業づくりの重要性についても学ぶことができた。その後の教材研究では、通潤橋について歴史や役割を調べるだけでなく、当時の人々がどのような思いで建設し、どのような工夫や努力を重ねたのかという背景まで考えることが大切であると感じた。教材を深く理解することに加え、子どものつぶやきや疑問を大切にしながら学びを広げていく教師の姿勢が、よりよい授業づくりにつながると思った。


学生の感想

まず、西川先生が実際に通潤橋の授業をしている動画を見たが、児童たちが主体的に学ぶ技術がたくさん盛り込まれており、先生の解説を聞いて納得した。違いに気づかせること、その際に「どこが違うの?」と聞いて、児童の思考をさらに深めること、「○○って何?」と問いかけることによって自分で調べたり周りと話し合ったりということが行われており、こうした問いかけは、児童がただ説明を受け身で聞くのではなく、自分の頭で「なぜだろう」「どうしてこうなるのだろう」と考えるきっかけになっていると思う。


この動画を見て、主体的な学びを引き出すためには、教師が一方的に説明するのではなく、児童の気づきを丁寧に拾い、問い返し、、広げることが重要だと改めて感じた。授業者の問いかけ一つで、児童の思考はここまで深まるのだということを感じたため、今後自分が授業をつくる際にも、児童の発言を起点に学びを展開することを意識したいと思った。


学生の感想

今回の講義では、班で通潤橋の教材研究を始める前に、先生が実際に小学校で授業を行っている様子の動画を視聴した。動画からは、社会科の授業では教材そのものだけでなく、教師の問いかけや授業の進め方が、子どもたちの学びに大きく影響することを学んだ。


特に印象に残ったのは、授業の導入で最初から写真や資料を提示するのではなく、子どもたちとの雑談や身近な話題から自然に授業へとつなげていたことである。子どもたちの興味や関心を引き出した上で教材を提示することで、「知りたい」「見てみたい」という気持ちが高まり、主体的な学びにつながっていることが分かった。また、一人一人の発言を丁寧に拾いながら授業を進めており、挙手した子どもをすぐに指名するのではなく、全員が考える時間を確保していたことも印象的だった。そのため、多くの子どもが自分なりの考えをもち、自信をもって発言できる雰囲気がつくられていた。


さらに、子どもの「でも」という言葉を大切にし、その発言をきっかけに授業を広げていたことも心に残った。動画では子どもたちの発言がとても多かったが、ただ発言の回数が多いだけではなく、一人の考えに対して別の子どもが新たな視点を加えたり、友達の意見を受けてさらに考えを深めたりするなど、子どもたちの思考が広がっていく様子が伝わってきた。そのような学び合いが自然に生まれていることが、とても素晴らしいと感じた。


また、教師のちょっとした声掛けや問い返し一つで、子どもたちの考えが大きく広がり、授業全体が活性化していくことに驚いた。教師が話し続ける授業ではなく、子どもたちが主体となって「しゃべり倒すくらい」の授業だからこそ、一人一人が学びを深めることができるのだと感じた。


現在は班で通潤橋について教材研究を進めているが、教材の内容を調べるだけでなく、どのような順番で教材を提示するか、どのような問いや声掛けをすれば子どもたちの思考を広げられるかという視点も大切にしたいと思った。私も将来教師になったときには、子ども一人一人の考えや疑問を大切にしながら、子どもたちが主体となって学び合える授業を実践できるようになりたい。


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